第752回 北欧の小国・アイスランドの魅力

2013年10月10日

 「アイスランド」は、英国の隣の「アイルランド」と名前がよく似ています。
世界地図の端にあって見逃しそうですが、長い歴史を持つ、独立した共和国です。もう北極に近い位置にあるのに、暖流の「北大西洋海流」の影響が強くて緯度の割には温暖であり、国土の南部は「西岸海洋性気候」に属します。

 

自分が社会科の教員のため、まず思い出されるのは、1986年冷戦の最中にレーガンとゴルバチョフという当時の米ソ首脳が交わした、首都レイキャビクにおける会談です。米ソの緊張緩和へ向けた画期的な会談となり、翌年には核戦力に関する一部削減条約が調印されました。

テレビで観た「世界最大の露天風呂」の風景も強く印象的でした。アイスランドには数多くの火山があり、各地の温泉にも恵まれるのは日本と同じです。冬が長くて国民の多くはとっても読書好きのようです。水力発電が8割、地熱発電が2割で、再生可能エネルギー発電への切り替えに熱心なことでも知られています。

また「軍隊を保有しない」というポリシーを持つ国です。NATOの原盟国ですが自国軍を持たず、アメリカ軍もすでに完全撤収しています。地球上の辺境に位置するとはいえ、現代日本の状況と比べる思いで注目するものです。
10世紀(日本は平安時代)には、世界最古の民主議会が発足していたことを国民は誇りにし、「最も汚職が少ない国」としての自負を持つそうです。
1980年には、国民の直接選挙で世界初の女性大統領が登場しました。数年前には深刻な金融危機に直面しましたが、その克服に成功したようです。
EUへの加盟問題には揺れています。日本と同じ「捕鯨支持国」であることで、欧州では肩身が狭いようです。もともと有数の漁業国であり、日本のお店では「ししゃも」がポピュラーでしょう。

 

そんなプロフィールを持つアイスランドですが、同国へ一年留学し、今回来園される日本人大学生お二人に尋ねたところ、ものすごく新鮮で楽しくて充実した留学生活を送れて、あなたもぜひ留学にチャレンジを!と周囲の人達に推薦し続けているそうです。
逆に日本に滞在中の三人のアイスランドの大学生は、日本の社会や街の様子、日本の若者達についてどのような印象を持たれているでしょうか。
私はその時間帯には出席できないのがとても残念ですが、「ワールドカフェ」に参加した在校生諸君と、いろいろ率直な会話がはずむことを大いに期待しています。