第151回 インターネットと現代の生活(その1)

2010年12月6日

後期中間試験は先週に終わり、今日からはテスト返却が始まります。
「期待」と「不安」とどちらが強いでしょうか。それぞれの結果に一喜一憂することと思いますが、何よりも大切なのは試験の完璧な復習とここまでの自分の勉学の振り返りです。この先へ向けて拠点づくりを続けましょう。
クラブ活動も再開しています。これから今月に重要な大会やイベントがある部活がいくつもあります。年末にふさわしい成果を上げられるように願っています。

さて今日は、現代の生活で欠かせなくなった「インターネット」に関わるテーマを扱います。テレビを観ない日はあっても、パソコンや携帯電話を開かない日 はないというのが多くの人達の日常生活でしょう。特にインターネットの普及は生活の様子を、生活の風景を一変させました。いま旬の話題から取り上げてみた いと思います。

内部告発サイト「ウィキリークス」が、今回はアメリカの秘密外交文書を暴露し続けて、国際的な注目を集めています。
その内容は衝撃的なものばかりです。中国の高官が朝鮮半島について長期的には韓国のリードで統一されることを支持していたとの情報には特に驚きました。 挑発行為を繰り返す北朝鮮への対応には一番近い中国すら対応に苦慮し、駄々っ子のような振る舞いだと形容していたとのことです。イラクで三年前に米軍の攻 撃ヘリコプターがバグダッドの市民達を無差別に銃撃していた映像も強烈でした。
豪州出身のある人物が4年前に立ち上げたという「ウィキリークス」は、世界各地の匿名の内部告発者から情報提供を受け、フルタイムのボランティアやかな り多数の協力者が関わって運営されているそうです。  ある幹部は、このウェブサイトの目的を「圧政を強いる政権の姿を暴露し、世界中で政府や企業が行っている非倫理的、非人道的な行為を暴露したいと考える 人びとを支援することである」と語り、機密情報の公開に伴って投稿者が特定されない努力を徹底重視しています。ウィキリークスは、大きな国や多国籍企業な ど政治・経済で権力を持つ人びとにとって、脅威の存在となりました。ウィキリークスへの検閲を試み、アクセス規制を行う国々も出てきています。

もちろんこのサイトに対する強い批判もあります。国家機密とされた情報を漏洩させる人びとへの非難があり、国家間の外交に波紋を拡げる懸念も指摘されま す。情報管理を徹底できない様々な機関に対する社会の不信を広げる結果にもつながるでしょう。国家や企業がより厳重な統制を求めて秘密体質が強まるとの心 配も指摘されます。
一方では一般市民の「知る権利」を重視して告発を歓迎する意見もあります。こうして情報の開示への「反発」と「使命」が激突しているのです。

広い世界で起きた強烈な出来事について、断片的でもその気になればすぐに知ることが出来る、ものすごい「情報化社会」に私たちは生活しています。上記の ウェブサイトはその新たな好例です。インターネットは、世界の人びとの認識や国際世論にも絶大な影響を与え続けています。