第61回 「雨のお供に文庫本」:中学各学年で朝読書

2010年6月23日

「朝読書」は、本学の中学校で定着してきた取り組みです。今年度は毎週、中1が月~土の毎日、中2と中3が月火木金の四日間、8:50~9:00の時間帯で、各自が思い思いに持って来た本を読みます。

たった10分間ですが、それなりに本の世界に入ることでしょう。みんなが揃って本を読む朝の教室には、おちついた雰囲気が流れます。チャイムが鳴って本を閉じてもらい、担任の先生の朝の連絡や呼びかけが始まります。
一日が良いリズムで始まるという利点がありますし、本を読む習慣の形成にも役立ちます。この朝読書に促されて、休み時間など空き時間にもその本をまた読 む人たちもけっこういるようです。通学時間が長い諸君の中には、電車の中で本を読む習慣が身につく人たちも少なくないようです。

中学1年では、最初の学年ということで、学年指導として「朝読書」を重点目標のひとつと位置づけています。『朝読書通信』という誌面も定期的に発行して います。図書室からは、新着情報やとっておきのお勧めブックのあらすじ紹介が届けられます。学年の先生や授業担当の先生からは、好きな本・ぜひ読んで欲し い本がシリーズで紹介されています。更にすごいのは、中1の同級生諸君からも読んで面白かった本、イチオシの本が紹介されているのです。友だちの勧める本 は特にインパクトが強いでしょう。
写真やイラストも豊富な『朝読書通信』は、みんなの新しい広場です。学年通信の『しおさい』とともに、配布を楽しみにしている生徒諸君や保護者の皆様方が大勢いらっしゃることでしょう。
最近では、チャイムが鳴ってHRが始まる時も、本を閉じるのがなごり惜しげな表情が見受けられます、と中1の先生から聞きました。朝読書はやっぱり大事な日々のリズムになっていることが実感されます。

そんな取り組みにも後押しされて、本校の図書室は、在校生諸君の利用率や貸出率がとても高くなっています。昼休みや放課後は、常連の皆さんや、授業や特 活関係で来た人、ぶらっと来た人などいつも人がいっぱいいます。魅力あふれる新刊書が続々と入荷していて、我々教員も行くたびに「こんな本が出ていたの か、入荷していたんだ」などと感激します。司書の先生方の様々な工夫やアイデアが図書室を更にワクワクルームにしています。
『朝読書通信』最新号に、「雨のお供に文庫本」というキャッチフレーズがありました。やはり小説が一番人気でしょう。藤沢駅周辺には県内有数の大書店も 複数あります。学校図書室とともに、積極的に足を運んで、新しいジャンルにも目を向けて、フレッシュな良書と出会って欲しいなと思います。