第54回 教育実習生を迎えて:昨日の全校朝礼から

2010年6月15日

梅雨の季節がやってきました。蒸し蒸しする毎日ですが、この時期ならではのいろんな楽しみも持って生活したいものです。
昨日は、約1か月ぶりの全校朝礼をアリーナで行いました。前期中間試験が先週に終わり、夏休み前のこの期間へ向けて、気持ちをリフレシュして臨んで欲しい趣旨が第一です。同時に本年度の教育実習生を迎えて、その初日に全校へ紹介する機会ともなっています。

1.校長の話
2.生活指導主任の話
校舎内でおきた事件を取り上げ、マナーとモラ
ルある学校生活を、それぞれが自覚的に送って
欲しい旨のお話でした。
3.教育実習生の紹介と挨拶
今年度は4名の卒業生が3週間の教育実習をし
ます。一部在校生の知る先輩もいて、歓声がわ
きました。
4.部活の表彰
ダンス部「湘南よさこい2010」ステージ
パフォーマンス部門第3位入賞 参加46団
体中の快挙です。高2部員中心に10名が
前へ出て表彰されました。5月25日付けの
第36回校長通信をご覧下さい。
将棋部 全国中学生選抜将棋選手権大会・
県予選大会優勝 中3Dの長谷川典彦君が
県チャンピオンとなり、夏の全国大会(山形県)に
県代表として出場します。
高校女子の醍醐かえでさん(高2F)に続く
全国出場になります。

本日の朝礼はこんな内容でした。話を聴く時の全校生徒の皆さんの集中力にいつも感心します。次の朝礼は、中学が6月28日(月)、高校が7月5日(月)と、分けて行う予定です。

【校長からの話】 朝礼での話を前回同様、参考までに載せさせて頂きます。

皆さん、おはようございます。
まず先週の土曜日は、オープンキャンパスで、多くのクラブの部員の人達と、生徒会総務委員の人達で、合計300名もの皆さんにお手伝いをしてもらいまし た。部活の指導や受付・誘導案内など、すごく親身に温かく対応してもらいました。今回、駅から学園までの道案内と挨拶を、野球部の諸君が担当してくれまし た。全体に、生徒諸君の対応は参加者の人達にすばらしく大好評でした。
心から皆さんにお礼を言いたいと思います。本当にありがとうございました。
中間試験が先週終わり、今日からはいよいよテスト返却が始まります。皆さん、少しあるいはすごくドキドキして、登校してきたことと思います。結果として出 てくる点数をあまり気にしすぎてはいけません。大切な事はていねいな復習と自分の勉強の振り返りです。今後につなげていける努力を期待しています。

さて、今日から教育実習が始まります。
今年度はここにいる4名の先輩達が、7月3日まで3週間の教育実習を行います。授業やHRや部活などで、きっと体当たりで皆さんにぶつかってくれると思います。皆さんからもどんどん、実習生の先生達に声をかけて下さい。

今日は、ずっと以前にここで教育実習を行った、ある二人の先輩達の、その後の人生についてお話ししてみたいと思います。
一人は、いま37歳のある男性の先輩です。彼は在学中は剣道部の部員でした。彼は成績の面では苦労もあり、自己主張が強くて周りと衝突することもよくあり ましたが、自分の信念を大事にする生徒でした。ある大学の法学部に進み、教育実習を学園でしましたが、卒業後は法律事務所に勤めて、営業の仕事もしまし た。社会に出てから次第に自分の進む道は教職だと決意するようになり、公立の臨任採用や不登校の生徒達のサポートなどの仕事を転々としながら、教員採用試 験を毎年受け続けました。しかし中学社会科の採用は少なく競争率も高くて、なかなか合格できませんでした。そのうち彼は結婚をして、お嬢様も生まれまし た。30代になって、もっと採用人数の多い小学校の先生になろうかと迷いました。もう一年だけ受けさせて欲しいと周囲にお願いし、彼は33歳でついに採用 試験に合格したのです。喜びの連絡を受けた時の興奮を思い起こします。この4月から彼は別の地域の中学校に移りました。中1の担任とサッカー部顧問をして います。前任校とは対照的に事件が多い学校で、落ち着いて勉強しようという雰囲気が弱いらしく、彼は新しい苦労をしています。なかなか休日もとれなくて毎 日大変なようですが、きっと持ち前の情熱で切り開いてくれるものと信じています。

もう一人はいま27歳のある女性の先輩です。彼女は吹奏楽の部員で高校では部長を務めた人です。明るくてスピーチも上手で成績も良くて、彼女は現役で早稲 田大学へ入学しました。教育実習にも来ましたが、就職先は教員だけでなくいろんな夢をしぼりきれずに迷っていました。大学卒業後も模索が続きました。医療 事務の資格をとって専門学校で教える仕事も経験しました。でもある時期になって、やっぱり自分は教職に就きたいんだと確認ができて、猛勉強を開始したので す。そして横浜市の中学校社会科の採用試験にすぐに合格しました。今年は2年目で中1の担任をしています。もちろん吹奏楽部の顧問もしています。生徒達が 可愛くて可愛くて仕方ないと話してくれました。なかなか彼とのデートの時間がとれないのが悩みのようです。

二人とも、私自身が担任や授業で教えたつながりがあって、卒業後も連絡があった人達です。二人に共通するのは、「自分が一番生きがいを持てる仕事」を、一 生懸命つかもうとしていた、一途な熱意です。年令はちょうど10歳違いますが、自分の進路に「こだわり」を持って、少しあるいはすごく廻り道をしながら、 立派につかんだ軌跡も似ています。
皆さんに伝えたいことは、自分の進学や進路の選択には、「こだわり」を持って欲しいということです。特に高校生の皆さんにはまず「こだわりの第1志望校」 を持って欲しいと常々思っています。またここにいる中高皆さん全員に、いずれは「こだわりの進路目標」をつかんで欲しいなと願っています。「こだわりの目 標」をつかむと息長く頑張っていけるからです。

今日お話した先輩達がたどりついた仕事は、教職でした。もちろんこの世の中には、様々な仕事があります。深いやりがいに満ちた仕事は、この社会にたくさん あります。皆さんそれぞれが、一番輝ける分野と仕事を、ぜったい見つけて欲しいと思います。自分の長い人生における、拠点となる場所をつかむことが、本当 に大切です。
10代から20代は、楽しみもいろいろあるけど、進学や就職という壁が待っています。懸命に坂道をのぼり続けなければならない時代でもあります。そこで特 に大切なのは、「好奇心」だと思います。周りや世の中をしっかり好奇心を持って眺めながら、自分のオリジナルな目標を探していきましょう。それぞれの夢を 育みながら、生活していきましょう。

この6月~7月は、各学年の特活も本格的に進められていきます。社会に生きる様々な人達と直接に出会う、貴重な機会になります。自分が出会う人びとの、仕 事の様子や、生き方に注目してください。思わぬ貴重なヒントをもらえるかもしれません。どうかそれぞれが、強い好奇心を持って取り組んで欲しいと思いま す。・・・それでは以上で、今日の話を終わります。