第23回 今年度最初の全校朝礼から

2010年5月10日

けさ1校時、アリーナに全校生徒が集合して、朝礼を行いました。
先月の始業式は高校・中学と分けて行ったので、今年度初めての全校集会にあたりました。中1から高3まで、全校1200名近い生徒諸君が集まると、さすがに壮観です。本日の朝礼は、以下の内容で進行しました。

1.校長の話
2.生活指導主任の話  登下校と携帯電話のマナーを中心としたお話でした。
3.前期奨学生の表彰  今回は高3から中2まで、前年度後期の総合成績を
基準に、各学年の優秀者が3名ずつ表彰されました。
4.部活等の表彰 ・英検の成績優秀者(満点の特別賞)
・剣道部 神奈川県中学校選抜剣道大会予選(兼藤沢大会)
男子団体戦で準優勝、男子個人戦で優勝
女子団体戦と女子個人戦でともに第3位
桜杯争奪剣道錬成大会(高校)
女子団体戦で優勝
・ハンドボール部 神奈川県中学校春季ハンドボール大会
男子の部で準優勝
・将棋部 全国高校総合文化祭将棋部門神奈川県予選大会
女子個人で県第2位(夏の全国大会へ出場)

1時間弱で、盛りだくさんの内容となりました。
部活関係の表彰は、本人達はもちろん、他の分野で頑張っている皆さんにも励みになることでしょう。第1教員室前の廊下には、各部活で得た記念の表彰状やトロフィーが展示されていますので、ご来園のおりにご覧になって下さい。

【校長からの話】 最後に本日の私の話を、参考までに載せさせて頂きます。

皆さん、おはようございます。新年度になって、1か月以上が過ぎました。
新しいクラスや、新しい授業には、慣れてきたでしょうか。
特に高校3年の皆さんは、気をひきしめて受験の戦いをスタートしたことでしょう。
皆さんそれぞれ、新しい生活のリズムをつかもうと努力しているはずです。
でも中には、まだうまくなじめずにいる人もいることでしょう。

連休も終わったこの5月は、もうすぐ先に、体育祭が待っています。
高校2年の皆さんは、いま自分の色を、後輩達を、どうまとめて盛り上がろうか、と必死に模索していることでしょう。
リーダーの諸君が一番大変ですが、クラスのみんなで、下級生の全体をどうリードしていこうかとよく話し合い、協力していって欲しいと思います。
高2の諸君が体育祭最後の学年でリーダーを体験するのが、学園の体育祭の大切な所です。色全体の堅い団結を築いて、素晴らしいドラマをつくってほしいと思います。

一方で、約1か月先には、最初の定期試験が待っています。
新しい科目、新しい先生のテストが心配なのは、みんな同じです。
まず授業を大切にすること、そして小さな課題をおろそかにしないことです。
勉強とは、まず「小さなパーフェクト」を積み上げていくことだと思います。
宿題ひとつ、小テストや単元テストひとつひとつには、根拠があります。
皆さん、本腰を入れて、時間をかけて、各科目の学習に取り組みましょう。
中間試験が終わった時に、「自分なりにがんばりきれた!」と、自分をほめられるような、達成感を持てるような努力を、どうか重ねていってください。

さて、皆さん。・・・・・・人生には、短期的な目標と、長期的な目標がともに大切であると、私は考えています。今日は、そのことについて少しお話したいと思います。
皆さんは、歌手のアンジェラ・アキさんを知っていますか。
先月テレビで、彼女のこれまでの軌跡を扱ったドキュメンタリー番組があり、とても心に残ったので、紹介してみます。

彼女は、父親が日本人、母親がアメリカ人です。徳島県で生まれて育ちましたが、周囲の視線や言葉に傷つき、悩むことが多かったそうです。3歳から始めたピ アノと好きな歌が心の支えでした。高校からはアメリカへ渡り、大学生になって、ある歌手のライブに感銘を受けて本格的に歌手を志しました。
卒業後はひとまずOLになりますが、夜はバーやライヴハウスで歌う二重生活を続けました。でも始めは全く注目されずに、悩み続けました。しかしある時アン ジェラの歌を聴いた会社の上司の人に呼ばれて、キミはOLをやめて歌手を目指すべきだ、このままでは中途半端で駄目になるよ、生活の全てをかけて専念して ごらん、と激励されたのです。
26歳で日本に戻って、彼女は売り込みを始めます。でも業界では「ハーフは歌手として成功しない」というジンクスがあり、周囲は冷たい反応ばかりでした。 でも自分を信じて動き続けた時、あるプロデューサーがアンジェラの歌はきっと人びとを感動させると取り上げてくれ、28歳でついにメジャーデビューできた のです。ファーストアルバムの「Home」は5年前に出ましたが。60万枚以上も売れました。翌年には念願の武道館ライヴを実現しました。一台のピアノ のみ、単独弾き語りで熱唱したステージにより、彼女はさらに脚光を浴びました。実はアンジェラは「武道館ライヴを実現する」と書いた紙を自分の部屋に貼っ て、それを自分の長期目標に決めて、がんばり続けたのです。

以上のお話は、歌手としての成功物語で、劇的すぎたかもしれません。
でも人生の長期的な目標を持つことは、誰にとってもすごく大切なことだ、ということを皆さんにお伝えしたいのです。歌手という仕事はかなり特殊です。世の中の仕事は普通はもっと地味なものです。でも深いやりがいに満ちた仕事は、この世の中にたくさんあります。

先ほどお話した、体育祭や中間試験は、大切な、いわば短期目標です。
同時にまだ先のことですが、皆さん一人ひとりにとってオリジナルな長期目標を、必ず温めていって欲しいと思います。
皆さんそれぞれが一番輝く分野と仕事が、きっとあります。

中学時代、高校時代は、目の前のいろんな短期課題に取り組まねばならない、いそがしい時代です。でもそれらの課題を懸命にがんばり、達成感を重ねること で、将来への意欲が培われます。同時に自分を見つめ直し、周りや世の中の景色を眺めながら、未来の方向を探っていきましょう。自分の将来のどこかに長期的 な目標を見つけて、夢を育んで、生活していって欲しいと思います。
・・・それでは以上で、今日の話を終わります。