第1131回 中学1年生の総合学習のねらい

2015年6月23日

今日は、中学1年の総合学習のテーマと目標、おもな活動内容について大まかに紹介します。

今年度の中1の目標は、「命の大切さと、一人ひとりがかけがえのない存在であることを自覚し、自己肯定感を養うこと」とされています。 また「他人と自分との違いを認め合った上で、ともに悩み考え解決していくことの大切さに気づくとともに、社会の課題を発見し、自分から進んで行動する自発性や、仲間と力を合わせて行動する連帯性を育むこと」とされています。

 

すでにGW中の課題では、「ぼく」「わたし」って?~自分が生まれたときのことなどの聴き取り作文をまとめてもらいました。自分の生い立ちや自分への願いなど、ご家族の方々と改めて貴重な会話ができたことでしょう。

先月には、いろいろな個性が集まる場所としてのクラスの目標づくりをしました。ワークシートを利用して、皆の個性を認め合って居心地良く安心して過ごせるクラスを実現するための目標を決めました。

 

先週の16日には、ハンディキャップ体験をクラスごとの終日のローテーションで行いました「違いを認め合う~共生」と記されたパンフレットに記入しながら、体験学習を進めました。

まずこの体験学習のプログラムについて毎年ご指導ご助言を下さる、服部一弘氏(NPO法人アミニ理事長)の講演を聴いて問題意識を深めました。

続いて各クラスのグループに分かれて、車椅子体験、視覚(アイマスク体験)、そして新たに「ユニバーサルデザインフード」の調理体験を行いました。
安全に見通しを持って活動できるように詳しい「指令書」が示され、ホール・教室・調理室・図書室などを拠点に校内各地を移動しながら行いました。

「ユニバーサルデザインフード」は私もご馳走になりました。豆乳とヨーグルトと缶詰みかんを使ったメニューで、新鮮な美味しい味でした。かむ力や飲み込む力の弱まったお年寄り、病気で治療中の人、幼い子どもなど家族皆で気軽に美味しく食べられるので、きっと自宅で家族のために作ってみる生徒達がいたことでしょう。

この日のために車椅子を20台も借用し、アイマスクなどハンディキャップ体験に関わる多数の用具を使用しています。総合学習委員会の生徒達は率先して指示や呼びかけで頑張り、学年会の先生方と実習生の先生方は要所に分かれて様々な活動を監督・援助しました。生徒達は講演の感想文やワークシートの書き込みなどを行い、個人が学び感じたことを持ち寄って空き時間に班ごとで話し合ってまとめ、「総合新聞」にあたるものを作成しました。

 

このように中1の総合学習では、ハンディキャップ体験を重要な軸にしながら、人間は一人ひとりに個性や違いがあってその人らしさが大切にされるべきことや、自分も他人も傷つけたり軽んじたりしてはいけないことへの認識を育むことを重んじています。これからも秋まで当初の活動目的に沿った学習が続けられます。いずれまた紹介したいと思います。