第1134回 ESD推進へ向けて~教員研修会を実施

2015年6月26日

毎週木曜日は、放課後に定例の教員会議と教科会をほぼ交互に行っています。クラブ活動や委員会活動は原則なしとされ、生徒達は早めに集団下校することになっています。

昨日の放課後は、まず豪州メルボルン市から来日中のマックロバートソン女子高校の皆さんを本校へお迎えする「ウェルカムセレモニー」がカフェテリアで実施されました。
同時並行になったのが辛いところでしたが、昨日は中高教員対象の研修会が行われました。テーマは「湘南学園ESDを推進するために」です。ESDとは「持続可能な社会の担い手を育てる教育」と訳せます。本校の目指すグローバル教育の軸となる教育理念であり、中高6年間の教育課程の全体をこれから再編成する上で浸透すべき教育の願いでもあります。

 

今回お招きした講師のお二人は、森良先生(エコ・コミュニケーションセンター代表、ESDの10年推進会議理事など)と伊藤通子先生(東京大学大学院特任研究員など)です。お二人には本校のESD推進に関わるアドバイザーになって頂き、SGH(スーパーグローバルハイスクール)を目指す本校の教育プログラムの開発についてもコンサルタントをして頂いています。
今回は「ESD」に関する概論から入って、デンマークで普及した新たな学習方式や日本のある高専で行われたESD研修旅行などが例示されました。また東京近郊のある地域で小・中の教員集団が地域の参画とサポートを受けて地域探究学習を展開した軌跡が紹介されました。
心理学や学習理論の成果も踏まえて、「チームによる授業づくり」を推進していく上での様々なポイントが提示されました。そして教員には、生徒が自発的に活き活きと学習へ向かうよう促す「ファシリテーター」になり、学外の様々な方々と組んで生徒の積極的な学びを組織する「コーディネーター」にもなるという課題がこれから重要になっていくという指摘は、深く心に残りました。

 

日本の教育の現実との距離感に悩む部分もありますが、参加者の「グループトーク」も交えて現状を出し合い、まず出来ることを語り合ってみる機会も設けられて、今後の取り組みに繋がる貴重な研修機会であったと思われます。
すでに学内では「ESDカレンダー推進委員会(仮称)」も発足されて、全体的なカリキュラム検討が始まっています。今回頂いた資料を丁寧にこれから参照しながら、今後の様々な試み、新たな取り組みを職場で共有し合い、ESDを推進していきたいと考えています。