第542回 ノックス校へ単独留学~勇気ある挑戦と成果!

2012年10月17日

 今日は、ある在校生が夏に挑んだ、果敢なチャレンジを紹介します。

 高2の岡田唯さんです。美術や水泳が得意でいつもチャームな彼女は、理系の学習に励んでいます。彼女は7月下旬から9月上旬まで2か月近く、たった独りで豪州ノックス校へ留学をしてきました。メルボルン市郊外にあるノックス校は、いまや湘南学園の最も大切な親友にあたる学校です。今年も日本から7~8月に豪州セミナー、先方から9月にノックスジャパンツアーを相互に行い、交流と友情、相互理解を深めました。岡田さんはそれとは別に定着してきた「中期留学」の制度を利用して、単身ノックス校での生活に挑戦してきたのです。この貴重な体験について直接彼女に聞くことができました。ここに紹介させて頂きます。

 ・・・・・・ノックス校で行われる数学、物理、化学など理系の授業や英語、デザインなどの通常授業をもちろん全て英語で受けました。更に週3回の「ビジネスマネージメント」の授業を受け、これが一番興味深い授業でした。日本にはない科目で始めは不安でしたが、予想以上に面白くなりもっと学びたくなりました。マーケティングの入門から始まり、実際に賞品を開発し、人を雇ってコストを計算しながら営業をしたりする、バーチャルビジネスの実践的な授業です。パソコンも使って自分が起業した立場で考察、展開していく新鮮な授業でした。すでに一年以上滞在している中国系の生徒友人がいろいろ面倒を見てくれ、スムーズに参加できました。全体に始めはどの授業もヒアリングで苦労したけど、二週間後あたりからだいぶ聞き取れるようになった嬉しさが励みになりました。

 ホストファミリーはお嬢さんが二人いる温かな家庭で、学校から徒歩で30分もかかりましたが、平屋が続く自然いっぱいの素適な環境にありました。ご家族はお母様を中心に皆優しく、友達が遊びに来たり、週末にメルボルン市街へ出かけたり、普通の、でも充実した日々を過ごせました。メルボルンや豪州はとにかく全てのサイズが広くて、緑に恵まれてのんびりした雰囲気が印象的でした。アジア系の住民も意外なほど大勢いました。ホームシックにはならなかったけど、日本の“だし”の効いた食べ物や日本のお風呂はやはり恋しくなりました。
 ノックス校は施設がとても充実していて、パソコンも一人1台ずつ確保され、使いこなしています。ただ自分には授業中に電卓を使うのは慣れなかったです。また化学に出てくる特殊な単語にはとても苦労しました。宿題は物理とビジネスが少しハードでしたが何とか頑張れました。
 校内だけでも生徒達の民族はいろいろで、考え方や感じ方の違いが印象的でした。でも全体は和やかで自由な雰囲気でした。留学全体を通じて、様々な国籍や民族の人たちがそれぞれお互いを尊重し合って生活している様子が、ふだん日本ではなかなか見ることが出来ないので、強く印象に残りました。

 私が中期留学を思い立ったのは、先行するカナダセミナーに参加した時の思いからでした。すごく楽しかったけど、もう少し長い間海外に滞在して日常生活を体験し、いろいろな事にチャレンジしてみたいとの希望をいだきました。この春に三名の先輩たちがノックス校に留学したのを知り、自分も行こうと心決めしました。しかし申し込んだらこのラウンドは自分ひとりと知り、あせりましたが頑張るしかないと受けとめました。
 実際は出発が近づく中で相当にナーバスにもなりました。でも到着してすぐに豪州セミナーの一行と合流できて、現地の生活に慣れていく上でステップになったと思います。昨年秋に日本へひとりで留学に来てくれたニコラス君もずいぶん面倒を見てくれ、ニコラス君の周辺の友だちも日本びいきで親しくなりました。ピーター先生とホストファミリーを始め、皆さんのサポートを受けて元気に海外生活を続けることができました。・・・・・・

 帰国してすぐに学園祭の準備も始まり、岡田さんは学園祭PRビデオの制作担当にも合流して多忙な毎日が待っていました。体育祭の時には放送担当でアナウンサーをやっていました。学校行事ではいつも大事なポストで重要な活躍をする彼女の姿が印象的です。これからも貴重な豪州経験で得たゆかたな感受性や潜在力を十分に生かして、岡田さんらしい将来の夢を温めながら進んでいってほしいと思います。