第535回 今日から後期の学校生活が始まります

2012年10月9日

やっと秋らしい陽気になりました。しぶとい残暑もようやく去ったようです。「衣替え」も実感の伴う中、今日から後期の学校生活が始まりました。

1校時、まず全校生徒がアリーナに集合し、始業式を行いました。校長からの話に続いて柳下教頭より、大地震・大津波を想定した避難訓練を、不意の襲来に備えて今週中に実施する旨予告があり、その際のポイントについて説明がありました。
2校時は各クラスでホームルームを行い、3校時から後期の授業が始まりました。中3はせまる研修旅行に向けて、2~3校時に学年集会と特活の時間を設けました。高1は3~6校時まで校内模試を受験します。

この時期にまず浮かぶ言葉は、「実りの秋」です。前期に比べれば、毎日の生活に起伏が少なく、新しいリズムを築き直しやすい日々となります。じっくりと勉学や読書に取り組んで欲しいと願っています。
校長通信も今日から再開します。これからも引き続きご拝読をよろしくお願い申し上げます。

先週の前期終業式の分と合わせて、本日始業式の表彰事項について、まとめて掲載いたします。本日の校長からの話も、これまで同様にご紹介します。

【前期終業式・表彰関係】
<体力テスト表彰賞> 体育の授業で実施され、各学年の男子・女子の最高得点者を対象にしています。今回
は同点の人達も何名かいました。
高2の菊間智喜、堀田実希、高1の太田日胤、寺部 藍
中3の土居健作、小林実可子、篠山静渚、中2の松本凜太郎、安江春花
中1の佐竹義尚、佐伯知夏、井上琴満
<理科第2分野の夏休み自由研究> 各学年の指定・自由部門のグランプリ・準グランプリを受賞した諸君が
対象です。学園祭で多数の優れた作品が展示されました。
中3の鈴木彩乃/片桐遊輝、近藤朝香、粟村観月
中2の清水貴生、山田圭人/阿部葵、黒岩丈、神野美優、山田啓輔、
中1の伊藤さほ/サヨリ怜クリスティン

水泳部 湘南ブロック中学新人研修大会
総合~男子第2位、女子第3位、男女第3位
女子400m自由形と200m自由形・優勝 中2笹原優希
女子100mバタフライと50mバタフライ・優勝  中2今井日菜乃
女子50m自由形・優勝           中2石井利香
男子200m平泳ぎと100m平泳ぎ・優勝 中2藤野哲弥
・男子400mフリーリレー・第2位
陸上部 藤沢市陸上選手権大会 中2男子100m・優勝 中2松本凜太郎
漢字検定 最優秀賞 2級 高1奥津正希、優秀賞 準2級 高1佐藤留美
優秀賞  3級 中2那須野結子    4級  中2松田華怜
努力賞  5級 中1角田遙、疋田翔悟、青木佳那絵、吉田有沙

【後期始業式・表彰関係】
2011年度後期奨学生 中学1年~高校3年 各学年3名ずつ
前期の成績で各学年上位3名ずつの優秀な諸君を対象としています。
中1臼井佳音、長野遙、角田遙   中2神野美優、中西晃子、加藤日向子
中3田中里歩、天野里香、北川輝  高1佐藤瑠美、佐藤春花、藤巻祐斗
高2赤井秀行、軽部朋子、加藤由野 高3清水麻央、田中理子、大脇ひとみ

2011年度前期成績努力賞 中学2年と中学3年 各学年5名ずつ
前期初めと比べて成績の上昇が著しかった諸君を対象としています。
中2斉藤小夏、長谷川佑大、端山翔大、村田裕哉、加藤沙野
中3上島夏海、串田菜々子、沖津和明、長倉桃世、中山彩

ダンス部 第10回相模原よさこいRANBU、
ベスト・スマイル賞(二年連続の受賞)
動画研究部 シャッター画・感謝状 片瀬江ノ島駅前の商店
藤沢市観光協会より、小田急電鉄からも記念品授与
ピアノ ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝
グランミューズ部門・第1位 高3大脇ひとみ

【校長からの話】

皆さん、おはようございます。今日から、後期が始まります。
この機会に、中1から高3まで全校の皆さんに、1つ問題提起をしたいと思います。学校生活の中心となるいまのクラスの様子、学年の様子について、改めて周りを見て頂きたいのです。クラブの様子を考えてみることも必要かもしれません。教室で誰か、「つらい思いをしている」「元気がなくて心配な感じがする」「ずっとひとりぼっちでいる」または「急に欠席が増えている」、そういう人はいないでしょうか。

皆さんご存じのように、日本の社会ではこの数ヶ月にわたり、学校におけるいじめの問題で大きな事件が続々と起きました。また世間では、特定の個人や団体を非難、攻撃、時には脅迫する風潮が、ネットの掲示板とか、週刊誌などマスコミの世界で更に広がっています。人をバカにして苦しめて、ウケをねらうような風潮があります。いま日本は政治や経済、外交などで難しい問題を抱えています。そうした不安の裏返しかもしれません。あらゆる物があふれて豊かな一方で、社会にはうつ病、ひきこもり、自殺といった深刻な問題も蔓延しています。

そんな時代の空気の中で、私たちは暮らしています。それでもこの湘南学園では、全ての在校生諸君が安心して学校生活を送れること、それぞれの皆さんが学校に心を許せる友だちと居場所を持ち、クラスや学年、学校全体に仲良く明るい雰囲気、和やかで伸び伸びとした雰囲気が広がることを心から願っています。学園祭でも、そうした皆さんのつながりやチームワークが存分に発揮され、深まったことは間違いないでしょう。しかし日常の学校のリズムが再開するいま、改めて学校の中の様々な人間関係に目を向けて欲しいと思います。
学園は相対的にはおちついている方の学校といえるかもしれません。しかし日常の学校生活において、皆さんの周りで、からかいや嫌がらせが集中したり、周りの人たちから無視されて苦しんでいる人はいないでしょうか。いじめにつながりかねない執拗な言動が周囲にありませんか。端的にいえば、あなた自身が被害者、または加害者になっていないでしょうか。

いじめ問題については、様々なジャンルで活躍する有名人からも積極的にメッセージが送られました。まずひとりを紹介します。ボクシングの元世界王者内藤大助さんを知っていますか。内藤さんは家が貧しく、中学時代は「ボンビー」のあだ名でバカにされました。制服も兄のお下がりでつぎはぎでバカにされ、中3ではいじめから胃潰瘍になって薬を飲んでいました。高校を出て就職してからも帰省してその連中に会うのが怖くてボクシングを始めました。それが強くなりたい、自分を守りたいと始めたボクシングに夢中になり、いつの間にかいじめの事はどうでも良くなったそうです。でも嫌な事があったら絶対に自分一人で抱え込んじゃダメだ、親でも先生でもいいから伝えるんだよ、と内藤さんは書いていました。
もう一人紹介します。お笑い芸人の猫ひろしさんです。猫さんは小学校の時から背が低くて太めで、顔も老けていたそうです。チビ、デブ、おやじと言われ続け、悔しくてケンカもしました。でもいじめに回るやつはいつも集団で行動し、強いヤツについて回ってすぐ調子に乗る芯のないヤツだと気づいたそうです。中高では卓球に本気になり、その後芸人を目指し、マラソンにも夢中になりました。自分が夢中になれるものを見つけて欲しい、そうすれば周りの行為もあまり気にならなくなる。そして嫌な思いをしている人にも声をかけられるような、自分の意志を持った人になって欲しいと、猫さんは書いていました。

こうした話も踏まえて、皆さんに改めて日頃のふるまいを振り返ってみて欲しいと思います。・・・・・・自分が気に食わないから、また気心がしれているからと、たとえば「相手の嫌がる事を何度も言う」「しつこくからかうちょっかいを出す」「わざとぶつかる」「ウラで示し合わせて一人を無視する」「すれ違いざまに不快な思いをさせる」・・・・・・そうした事実がないでしょうか。メールも心配です。嫌がる相手に何度もメールを送って返事を求める、他の人とつるんで悪口を送る、そういったことはないでしょうか。また「互いに自由にものがいえない」「それはまずいよと注意し合えない空気がある」「強い子が威張って弱い子が黙る」「陰で人の悪口をよく言って盛り上がる」・・・・・・そういった傾向は周りにないでしょうか。

皆さんに強調したいことは、自分が発信する言葉をどうか大事にしてほしいということです。言葉は強烈な暴力にもなります。言葉の暴力を発する側が「軽く」したつもりでも、被害者は何十倍にも傷ついていることがあります。その傷はずっと長く癒えないことすらあります。逆に暴力的な言葉や嫌がらせを振りまく人は、この先どこかで、その矛先が自分に向けられる可能性も大きいのです。大切なことは単純です。「相手の嫌がることはしない」のが基本です。

世の中には絶望している人、誰もが敵に見えるほど孤独な人がいます。でもその人にたった一人の声が届いて光が差すこともあります。私たちも周囲をよく見てみましょう。ひとりで悩んだり、追い詰められている人はいませんか。その人もたった一人、本当の友人や理解者がいれば、救われる希望が生まれるでしょう。また誰かが「仲間はずれ」になっていませんか。目に余る行為があったり、事態が悪くなる状況があったら、「何とかしよう」と勇気を持ち、心を託せる友だちと話題にして何か行動をおこしてほしいのです。
先生方にも進んで情報を届けて相談して下さい。我々も慎重にその事を扱いながら、改善や解決をめざして取り組みます。どうか皆さんの小さな努力と勇気を重ねて、居心地の良いクラスや学校生活を築きましょう。

皆さんは、いろいろな地域からこの学園へ毎日通学し、縁あってクラスやクラブや学年で、6年間で様々な人と出会いを広げていきます。自分の生活範囲は限られていますが、新たに出会い関わる人たちはこれからの人生でも増えていきます。皆さんには温かい、大きな心の人になって頂きたいです。困っている人や悩んでいる人に、進んで声をかけられる人になってほしいと思います。まず小さな努力から始めましょう。心のこもった挨拶をいつでもどこでも出来る人は素晴らしいです。周りの人にいつも温かく、いたわりの言葉を心がけている人を私は尊敬します。
湘南学園が大事に守りたいのは、まず明るくて和やかな学園生活です。性格や個性や相性の違いはあって
も、お互いを尊重し合い、様々なつながりや協力関係を広げていける、生徒諸君や我々教員の気風です。

この後期には、そのような課題に対しても自覚を強めて頂きたいのです。どうか健康と安全に気をつけて、周りの人たちとのつながりを大切にしていきましょう。世の中の動きにも目を配り、自分の将来の方向を温めながら、充実した後期の毎日を過ごしていって下さい。・・・・・・以上で私の話を終わります。