第1295回 前期公開授業実施

2016年6月17日

「授業評価」は、教員の教育研究・実践力を励ます

 前期公開授業が昨年度を上回る490組近い参観者を得て行われました。公開授業は中学1年から高校3年までの全学年・全クラスの2時限・3時限通常教科目授業を対象にしたものです。当日は保護者の皆様、とりわけ中学1年生の方々をはじめ他学年の参観者の皆様にもお越しいただきました。また学園小学校の児童並びに保護者の皆様、そして次年度湘南学園中学校受験をお考えの皆様にも多数見学いただきましたが、如何でしたでしょうか。
 
 教員にとって自教科の授業づくりは、もっとも大事にすべきものであることは言うまでもありません。その授業の目標を設定し、そのための授業構成・プロセスを考え、そのために求められる必要かつ十分な事前の教材研究や効果的な授業方法論を考究します。その成果、「授業準備」を引っさげて、教室に向かうのです。

 そしていよいよ授業本番!その授業の目標が果たして適切であったかどうか。その答えは皆様がご想像の通り、生徒の皆さんの反応です。「ウム、これはうまくいった、納得してくれた」「アー、展開が急ぎすぎたかな、空回りか」「(生徒の)目が動いた、シテヤッタリ」などなど。このように教員は、前期公開授業という多数の皆様の参観があることを十分に意識して、教員としての取り組みを平常展開している授業と結びつけてきています。
 
 時には、「公開授業は特別授業であり、いつもの授業とは異なるのではないか」というご意見をお聞きします。私からのお答えは「YES」であり「NO」ということになります。教員は日頃から、自分の問題関心、課題意識に従い、高くて広いアンテナを張り、「リベラルアーツ教育」を自己実践しています。そこで学んだ使える・使いたい素材を自教科の授業の一コマ一コマの切り口を含めてセットし、その流れと効果を想像してみるのです。
 
 共に豊かな授業空間をつくる構成員は、それぞれ「手ごわい」個性的な約40名の生徒の皆さんです。当初描いていたシナリオ(授業案)が他のクラスでも使えるという保障はないのです。授業は生ものであり生き物なのです。教員はクラスの様々な様子を的確に判断し、スリムチェンジし、また場合によっては大幅に構想を入れ替えてのフットワークの良い授業のリストラクションを図ることもありうるのです。


 前期公開授業を参観された皆様には「アンケート」をお願いしました。その目的は、より豊かな授業空間の現出のためであり、教員自身が自ら教師として成長を遂げていくための課題探しのためであるといってもよいでしょう。「アンケート」の特徴としては、そのほとんどが授業を好意的に評価するものでした。

・思考力を育む授業内容におどろきました。
・グループ学習が生徒のやる気が見えてとても良かったと思いました。わからない問題をグループで考えるのは楽しみながら身につく方法です。
・実体験を通して学ぶ課程となっており、子供たちの理解が深まると思います。
・ロールプレイによって身近な事象を英語で実現すること、更にはそれをグループワークによって実施することで、英語を身近なものとして学習するのは非常に身につきやすいと思いました。
 
 このアンケート結果は教員にフィードバックされています。自らの授業の「振り返り」の貴重な資料となりますし、ここには大きくの示唆が込められているといってよいでしょう。教員は学び続け、生徒、そして同僚と共に成長していく存在であるという、「教師教育」の視点に立ち、地道でひたむきな研鑽を積み重ねていくことになります。
 
 ご参観いただき、またアンケートを寄せられた多くの皆様に感謝いたします。