第424回 東日本大震災から一年間を経て

2012年3月12日

 昨日は3月11日。東日本大震災の勃発から一年間が過ぎました。

 あの日の推移を思い出します。大きな地震が起きて、部活動で登校していた諸君は校舎内に避難しました。テレビ情報などから刻々と甚大な災害の実相が伝わって衝撃の連続でした。大津波警報も発令され、近隣住民の方々と共に夜を明かしました。学校までのお迎えも困難な中で多数の生徒諸君が校内に残り、様々な助け合いと協力をしてくれました。PTAの幹部の方々が炊き出しに駆けつけて下さいました。朝になって藤沢駅まで集団下校して何とか無事に一段落したのです。
 しかしその後、年度末の学校運営は困難をきわめ、春休みから新年度開始まで様々な活動が出来なくなりました。その後学園全体で防災体制が強化され、備蓄補充、放射能測定や津波想定の避難訓練を行いました。また全学をあげて被災地向けの募金活動に取り組み、夏の節電対策を行いました。

 地震、津波、原発事故の複合した被災各地で、人びとは想像を絶する諸困難と向き合いました。懸命の復興と支援の努力が続けられる日々でした。
 家族や家庭や故郷を失った人びとの生活や気持ち、現在の状況にある希望と絶望を知り、受けとめる生活を心がけるべきです。現地を取材する数々の特集ドキュメンタリー番組を努めて視聴するようにしています。平穏な私たちの生活が当たり前でないこと。社会の人びとの様々な生活と仕事が網の目のように繋がっていること。同じ社会と時代に生きる仲間として連帯と協力を広げていくべきこと。この先確実に年月は過ぎていきますが、大震災の経験を風化させずに、いつも心に深くとめて生活していかねばならないと思います。

 生徒諸君も大震災との関わりを、機会あるごとに受けとめ直してほしいです。この事実から学ぶべき大切なことがたくさんあります。建学の精神にある「社会の進歩に貢献する明朗で実力ある人間」になれるように、自分が出来る事を考えて追求し、人生観や社会観を深めていってほしいと思います。