第1356回 第12回防災と防犯の集い

2017年11月24日

~鵠沼地域の一員として防災防犯を考える~

 先日、湘南学園を会場に、鵠沼地区六自治会主催による、防災と防犯の集いが行われました。湘南学園も六自治会の1つである五友会の会員に入れさせていただき、地域と共に歩む学園として、できうる限りのご協力、貢献をさせていただいています。
 
 さて、今回は、鵠沼藤が谷会の長谷川会長より、「鵠沼に想定される大地震・津波被害に備えて」と題して、第一部:六自治会地域の地震被害想定、第二部:地震発生時の対応手順と鵠沼藤が谷会の取り組み例、について最新のデータに基づき、具体的で詳細な報告をしていただきました。
 
 報告は一般論ではなく、ここ藤沢市、鵠沼、六自治会という具体的想定から出発した点に特徴がありました。まず人口比では、藤沢市:425,105人、鵠沼:55,499人、六自治会:10,000人という確認から始まり、ケースとして「大正型関東地震」、発生時間帯は夕刻の18時と設定し、発生時における藤沢市・鵠沼・六自治会の地域別、揺れ・屋内収容等・火災・津波それぞれによる被害者数(死亡者数)44人という数字が提示されていきます。
 
 次いで避難者数に移り、藤沢市、鵠沼、六自治会における1日目~3日目、4日目~1週間後、1ヵ月後の状況を、避難施設、避難施設以外、合計と区分し、その六自治会の数値、1日目~3日目のそれは5,596人にのぼるという指摘をされました。
 
 では鵠沼の避難施設の収容可能人数はといえば、9施設全体で4,880人、うち湘南学園では480人です。そうしたなか、液状化危険度に話が及び、「鵠沼は液状化が極めて高い場所がある」ので、上下水道の破損、都市ガスの供給停止、建物の傾斜などが起こる可能性が指摘されました。次に藤沢市の消防自動車台数などに触れられ、全市でポンプ車18台、梯子車5台、救急車15台という事実に加え、「鵠沼は道路が狭く、地震での閉塞率が高く、消防車や救急車が入れない」という話、さらに下水道の被害により、トイレが使えない状況が継続することもあるなど、参加者一同、真剣に震災時鵠沼のシミュレーションをそれぞれされたのではないでしょうか。
 
 震災による津波にも触れられ、市のハザードマップ最新版によると、鵠沼海岸で最大津波高さ11,5m、最大到達時間12分、「大正型関東地震」ではマグニチュード8,2、それによる鵠沼の想定震度6強~7、さらには六自治会の避難行動要支援者にも話が及びました。
 
 終了後の六自治会役員の皆様との懇談会を通じて、防災・減災教育のさらなる充実と共に、具体的事例研究と対応策の大事さを痛感した次第です。湘南学園は幼小中高を併せ持つ総合学園ですから、まず園児・児童・生徒・教職員の安全を図り、同時に地域の皆様の防災拠点としての役割をしっかり果たすことの責任の重さを改めて自覚しました。