第320回 被災地へボランティアに行く:ある高校3年生の手記(1)

2011年10月13日

 今日は、高校3年生から寄せてもらった体験談と手記を紹介します。

 高3の種子島七海さんは、前期期末試験が終わった先月の16日の夕方から翌日にかけて、被災地の「宮城県七ヶ浜」へ救援活動に行って来ました。
 その事を知って一度、ぜひお話を聞きたい、紹介させてほしいとお願いして、引き受けてもらいました。大学受験に向かって猛然と勉学を頑張っている姿をふだんから校内で見ていたので、正直驚き、彼女の気持ちを直接尋ねてみたいと思ったのです。

 今回の参加応募は、種子島さんの住む鎌倉市七里ガ浜の住民有志の人達が、地域の人びとに呼びかけて実現した企画だったそうです。地元の町内会長さんなどがリーダーとなり、WEBサイトなどでも発信したところ、東京や埼玉から参加した人達もいたそうです。18歳以上で年齢は不問とされ、一番若い種子島さんと他私学の高3生がもう一人いました。上は35~45歳くらいまでで幅広い年齢層の人達が集まり、バス1台に約40名で、七里ガ浜からまず石巻まで長距離移動となり、更に七ヶ浜へと到達しました。

 現地での救援活動の様子について話を聞きました。まず印象的だったのは、今回のボランティア部隊には幅広い年齢の人達がいて、いろいろな考え方や物の見方がとても新鮮だったことです。小さな頃から学園生活が長く、地域での交流の機会はそう多くなかっただけに、地元にはこんなに多彩で行動力のある方々がいたのかと驚きました。いろいろな意見や行動から学ぶ事が多かったのはすごく良かったです、との話が心に残りました。

 次に具体的なボランティア作業が、いかに人出や時間を必要とするかを、身を持って理解できたとの話です。現地では住民の方々とのマッチングの打ち合わせを経て、今回は特に地震と津波で倒壊した家屋に対して、その土台と周辺を清掃して整備する作業でした。様々な瓦礫を除去して運搬し、膨大な雑草を駆除し、家屋の基礎のみを残して後日の再建築の可能性に備える作業を担当しました。始めは数件分くらいすぐに出来るかなと甘く見たら、たった1件分の作業にどれだけ大変な労力が要るのか認識し、汗だくの中で呆然とする思いになったそうです。
 残暑厳しいおり、熱中症対策で強制の休憩を取りながら、安全確保のため上下長袖、鉄入りの特殊な長靴を履いての作業は、暑さ疲労とのたたかいでした。

 では、種子島さんの参加体験記は、明日の通信で掲載いたします。
 生々しくて実感あふれる貴重な手記を、明日ぜひお読みになって下さい。