第1409回 湘南学園中高の図書委員会

2019年3月1日

本日は、中高の図書委員会をご紹介します。・・・・図書室の蔵書数や利用時間などのご案内をしようということではありません。実は、この図書委員会には、ちょっと魅力があるのです。クラスの各種委員選出の時に、「図書委員になりたい!」という生徒諸君も少なくないのです。さて・・・・、その魅力とは、どのようなところにあるのでしょうか・・・・それを本日はご紹介したいのです。

まず、図書室を担当する古関(こせき)先生にいくつかの質問をしてみました。

 

木下:図書委員会のイメージをお聞かせください。

古関先生:「生徒が共に作っていく」ということが、図書委員会の運営のイメージです。

 

木下:参加する生徒諸君は、図書委員会に対してどのような期待を持っているのでしょうか。

古関先生:実は、図書委員として集まってくる生徒は、さまざまなのです。本が好きなので、日ごろからよく図書室に来ている、という生徒もいれば、本が好きだというわけではないのだが、たまたまクラスの人数の都合上、来てしまった(図書委員になってしまった)・・・、というような生徒たちも実際にはいるのです(笑)。いろいろな生徒がいるということなのです。だから、それぞれの個性に合わせた活動をしてもらいたいなと思っています。例えば、企画班に入ってアクティブに活動をしてくれる生徒もいれば、整備班というグループに入って、本にカバーをかけたり、本を移動したり、あるいはメンテナンス的なことに黙々と取り組んでくれる生徒もいます。それぞれが個性を生かしながら無理のない形で、関わってもらえればいいのではないかと思っています。

 

木下:この度、新入生に向けた「図書室の利用の仕方」というビデオを作ろう、という企画を実行することになった、とのことですが、これはどのようにして始まったお話なのですか?

古関先生:最近の図書室の問題点などを彼ら(図書委員の生徒たち)と話しましたところ、色々と意見が出てきました。

「もっと利用者を増やすにはどうしたらいいか。」

「どのタイミングで図書室のことを知らせれば、図書室の存在がもっと認知してもらえるのか。」

「図書室のことをよく知らないために、中学高校の6年間の間でなかなか図書室へと足が向かない、ということになってしまうことがある。」

「ならば、中1生が入学の時点で、図書室の存在を知ってもらうことがいいのではないか。」

「ただ、ここで問題なのは、中1生が入学したばかりの頃というのはとてもスケジュールが過密だということだ。各クラスの生徒に対してじっくりと時間をとって図書室について説明をすることが難しいという面もある。」

「では、どういう形でアプローチしたらいいのか。」

「動画のような素材があれば、いいのではないか。」

・・・・といった議論が展開されたのです。

木下:図書委員の生徒諸君が、自分自身が図書室(という空間)を楽しむというところにとどまらずに、図書室の良さや楽しさを他の生徒に広めたい、というところに気持ちが向かっていますよね。私は、そこがいいなと思うのですが…

古関先生:そうですね。図書委員会では、どういった企画があれば、もっと図書室のことを知ってもらえるかな、ということを念頭に置きながら話し合っています。また、これに加えて、自分たちが何をしたら楽しく主体的に活動できるか、という側面も大切にしたいですね。

例えば新入生へのアプローチにしても、「図書委員がただ単に教室で図書室の利用方法やルールを説明する」ということだと、図書委員にとって楽しくもなく、あまり気持ちも乗ってこないということになってしまいます。今回の取り組みは、「動画を作成したらどうだろう・・・」という企画を生徒たちが考えたのです。見ていても、彼ら自身が楽しんでいるのがわかります。図書委員会では、彼らにとって楽しいと思えるもの、主体的に関われるもの、を考えてもらえるようにしていきたいのです。

 

木下:今回のビデオは、まずユーモアがありますよね。そして、伝えられる側の立場に立って制作してくれているのが伝わってきますね。

古関先生:はい、「生徒にとって何が面白いのか」などは、教師だけでは分からないですし、生徒が主体的に関わるからこそ上手くいくのだと思いますね。「生徒の取り組みは、楽しくなければいけない」という思いがあります。「これ、ちょっと面白いな・・・」と思えるような機会を大切にしたいですね。

 

木下:理想の図書室とはどのようなものなのでしょう?

古関先生:彼ら自身が作り上げる彼ら自身の学びの場になるといいのではないかなと思います。図書室は、生徒自身が使う場所なので、自分たちで作り上げていってほしいですし、学びという観点で考えても、勉強だけではなく、どのようなことでも学びになるのだと伝えたいですね。自分が興味を持つものはすべて学びに繋がります。図書室で、自分の関心のある分野のものが本になっているのを発見したときに、「自分が関心を持つものは、やがて立派な研究に繋がっていくのだよ」ということが伝えられる場でありたいのです。

 

 

さて………

図書委員会では、この度、新入生に図書室の利用方法について紹介をするためのビデオを制作しようということを決めました。担当してくれている高1の丹羽君に、このビデオ制作に対する思いを聞いてみました。

 

木下:丹羽君、こんにちは。「楽しく学べる図書室の使い方」というタイトルで、新入生に、分かりやすく、図書室の使い方を知ってもらうための動画を作成する準備を進めているということをお聞きしました。まず、この動画作成の目的を簡単に教えてください。

丹羽君:新しく入ってきた中1生に、まず図書室の使い方を楽しくわかりやすく見てもらうおうと考え、この動画を作成することになりました。

木下:湘南学園の新入生の諸君に図書室の魅力をどのように伝えたいですか。

丹羽君:自分としてはやはり図書室が一番素晴らしいと思いがあります。この図書室は、赤本やDVD、CDなどを借りることもできて、いろいろと魅力のある場所なのでそれを多くの人に伝えていきたいと思っています。

 

木下:図書室とはどのような空間なのですか。

丹羽君:やはり安らげる場所だと思います。リラックスできる静かなところですね。

 

木下:そういう場所が学校にあるということはとても大事ですね。

丹羽君:はい、そう思います。

 

木下:これから図書室を利用する生徒が、一層増えてくれるといいのですが、図書室の利用に関するアドバイスなどはありますか。

丹羽君:まず、みんなが使う共有のスペースなので、静かに利用するということですね。利用者からは、静かに本を読みたい、静かに勉強したい、などの意見もたくさんあります。静かに使ってもらえれば、それでいいのです。

 

木下:ごもっとも。図書室を利用する際の大切なマナーですね。では、動画の成功を祈っていますね。頑張ってください。

丹羽君:ありがとうございます。