第260回 地域の防災拠点でもある湘南学園

2011年6月8日

 東日本大震災から早くも約3か月がたちました。被災された諸地域の住民の皆様や生産者の方々は、現在も過酷な生活を 続けておられます。
 一方で、支援と復興へ向けた取り組みが広がる様子には、新たな希望の光を見いだします。大震災を機に人びとのつながりが 強まり、いのちとくらしをより大切にする社会が築かれていくことを願うばかりです。

 初めて本校のHPサイトをお開きになる方々もおられることを念頭に、今日はまず「あの日」を本校はどんな動きで 乗り越えたのかお伝えします。明日は、今年度に入ったいま、今後どんな事態を想定してどのような防災対策を強めているかを お伝えしたいと思います。

 大震災の当日は、多数の在校生が部活動などで300名近く登校していました。困難な状況の中で保護者の個々のお迎えを 頂きましたが、最終的に100名以上の在校生が、我々教職員とともに校舎内で夜を過ごしました。初めての不自由な環境下、 先輩達が後輩達を支えて皆で乗り切ろうと声かけ、様々なサポートで協力してくれました。
 また大津波警報の発令を受け、学園へ避難されて夜を過ごされる地域の方々も大勢いらっしゃいました。実は、湘南学園は、 所在地である藤沢市により、重要な広域避難場所に指定されています。住民用の毛布なども学校の敷地内に保管されています。 あの当日は、120名ほどの近隣住民の方々も校舎内で夜を過ごされたのです。

 更にPTAの方々が夜中から早朝にかけて来園され、辻PTA会長を先頭に炊き出し、おにぎりや味噌汁の用意、住民の方々への 対応でご尽力して頂きました。近隣の皆様から多大な感謝のお言葉を頂きました。また多数の保護者の方々から、来園時の 差し入れや援助のお申し出などで様々なお力添えを頂きました。翌朝JRと小田急線の回復をめどに藤沢駅までの集団下校を行い、 生徒諸君を無事にご家庭へ帰宅させることができました。

 その後年度末の諸行事は、他私学同様に見送らざるを得ませんでした。それでも3月末には、小田急線と江ノ島電鉄の通電保障に 連動して「湘南学園は今後は計画停電の対象にはならない」旨の通知を東京電力から受けました。そこで4月3日からクラブ活動や 生徒会活動の再開を認めました。
 この新年度、授業を始め本校の諸活動は、節電等を考慮しながらも例年通り順調に進めてきています。(明日に続く)