第1426回 読んで欲しい本

2019年9月20日

校長通信では、湘南学園の生徒や卒業生あるいは教員をご紹介することが多かったと思いますが、この夏、素敵な本と出会いましたので、今回はその本をご紹介します。

 

 

タイトルは「こども六法」です。著者は山崎聡一郎さん。1993年生まれ。

 

当初、私は、「法律の専門家が、こどもにも分かるように法律のことを紹介しようと書いた本なのかな・・・」と思ったのですが、実は少し違うのです。

 

著者の山崎さんは、小学校5年生から6年生のころにいじめを受けていました。左手首を骨折するほどの暴力も伴ったいじめだったのです。ところが、中学に進むと今度は山崎さん自身がいじめの加害者になってしまったのです。

 

「いじめ被害の苦痛を知る自身が加害者になってしまった・・・」

 

この事実に衝撃を受け、いじめ問題の複雑さと難しさを痛感した山崎さんは、いじめ問題への取り組みを決意します。

 

「『こども六法』は誰よりもいじめの被害に遭っていた当時の私が必要としていた本でした。・・・」と、山崎さんは、この本の「謝辞」の中で述べています。

 

いじめ被害に遭っている人がこの本を読んでくれたら・・・

いじめの加害者になってしまっている人がこの本を読んでくれたら・・・

 

・・・私は、そう思いました。

 

「こども六法」はとても読みやすい本です。まず、法律用語が日常よく使う言葉に置き換えられているので、「何を言っているのか分からない・・・」という悩みが発生しません。イラストも的確で本当に分かりやすい、そして楽しい。

 

また、「法律を学ぶことってどういうことなのかな?」と考えている生徒諸君にはぜひ読んで欲しい本ですね。わかりやすく法律の概要を理解することができます。

 

 

例えば・・・民法のページを開くと・・・

 

民法はみんなの『あたりまえ』を支えるルール

人と人の争いを解決する基準だよ

 

誰かと何かを約束したら守る。人に借りたものは返す。友達をいじめたり、悪口を言ったりしてはいけない。「そんなのあたりまえ!」って思いますよね?

民法はそのような人と人との約束や関係についての「あたりまえ」を決めた法律です。

 

・・・という感じです。・・・

 

 

六法というと…、

日本国憲法、

刑法

民法

商法

刑事訴訟法

民事訴訟法

の6つの法律を指しますが、「こども六法」には、商法の代わりに少年法やいじめ防止対策推進法が載っています。

 

(余談ですが・・・)

日本国憲法前文がとても分かりやすい言葉に置き換えられているページがありました。私としては「いいね!」と思いました。

 

昔のことになりますが、学生時代に、「次の授業までに日本国憲法前文を暗記してきなさい」という宿題を与えられ、必死に覚えた苦しい思い出がありました。意味の分からない言葉があっても強引に丸暗記するという苦行でした。

(あのとき、「こども六法」の解説を読んで、「なーるほど!」という状態になってから「暗記する」という段階へと進んでいたら、「苦行」ではなくなっていたのではないか・・・)

 

小学生にも読むことが出来るように・・・との考えがあって、理解しやすい言葉で書かれている本ですが、大人が読んでもためになる本だと思うのです。ぜひ、読んでみて欲しい本です。

(本校の生徒諸君は、私のところに来てくれたらお貸ししますね・・・)