第1122回 中学生対象の「道徳教育の時間」を実施

2015年6月12日

今日は、高校生が前期中間試験の最終日になります。中学生はすでに試験が昨日で終了しています。前期と後期の中間試験の翌日には、中学生対象の「道徳教育の時間」を設けているので、本日はその概要を紹介します。

この時間には、日常生活でおこる様々な人間関係の問題を扱い、関連する映画を観たり、社会で活躍される方々の講演を聞いて、中学生がマナーやモラルの問題をより深く、共に考え合う機会になるように考えて設定しています。

東日本大震災が起きた後は、救助活動や復興支援に赴かれた方々、現地で被災されて活動を続けてこられた方々から直接お話を伺う機会を設けました。その後各学年で企画を組むようになり、いじめ防止の課題や思春期の性の問題に焦点をあてる企画も数多く立てられるようになりました。

 

中学1年は今回も、NPO法人・湘南DVサポートセンターのご指導により、「いじめ防止プログラム」を受講します。DV・虐待・いじめ等の被害を受けた女性や子どもの支援に取り組んでいる団体です。子どもの心の回復プログラムをカウンセリングやグループワークに取り入れて被害者支援に取り組み、いじめ防止やバイオレンス防止など10代の子ども向けプログラムを開発し、小中高大で暴力防止教育を展開されています。
このプログラムの目的は、いじめを未然に防ぐことにあります。すでにいじめが生じている場合は、いじめがより深刻なものに発展しないよう周囲にいる生徒達がいじめを抑止することを目標としています。
生徒が自分自身や他者との人間関係について考え、ワークショップを通して自尊感情を高めることを学び、暴力によらないコミュニケーション法を身につけていく機会になることが期待されます。

 

中学2年と中学3年には今回、映画『世界の果ての通学路』を観てもらいます。この映画は、ケニア・モロッコ・インド・アルゼンチンに暮らす4人の子ども達が、道なき道を何時間もかけて通学する姿を追った、驚きと感動のドキュメンタリーです。
湘南学園の生徒の中にも、日々電車やバスを利用しながら時間をかけて通学している諸君が数多くいます。この映画に登場する子どもたちはそんな日本とは全く違った環境で毎日を暮らしています。象やキリンといった野生動物達が数多く生息する危険なサバンナを駆け抜けるようにして進んでいく兄妹、故郷の村から寄宿学校までいくつもの山を歩いて越えていく少女達、朝早く山羊たちの面倒をみた後に愛馬を駆って妹とともに学校へ向かう少年、生まれつき足の不自由な兄を手製の車いすに乗せて押していく弟達。カメラはそんな彼らの姿を淡々と見つめ続けます。
彼らはなぜそこまでして学校へ通おうとするのか。現在の自分の姿と重ね合わせながら、彼らひとりひとりの願いに想像をめぐらせて欲しいと思います。

 

各学年で、これからの学校生活につながる大切な視点や課題を学べる有意義な機会となることが期待されます。それぞれにしっかりと受けとめて、今後の生活に役立ててほしいと思います。