第1380回 高校3年総合学習

2018年6月8日

今日は、高校3年生の総合学習についてお伝えしたいと思います。
湘南学園では、総合学習について6年間のプログラムがあります。

中1 「自他の理解と尊重」
中2 「身近な地域を知る」
中3 「異なった地域を知る」
高1 「日本全体の問題に目を向ける」
高2 「地球規模の問題に目を向ける」
高3 「実社会に生きる人々に学ぶ」

このように進行していくのですが、中1→高2までの取り組みのイメージとしては、

「自分」→「相手」→「周辺地域」→「他地域」→「日本」→「世界」

・・・・と次第に広がっていくというものです。

そして、高3最後のテーマは、

「では、自分はどのように生きていくのか?」
「何を見つめて歩むのか?」

と、再度テーマが「自分」という原点に戻るということになっています。高3の「実社会に生きる人々に学ぶ」というテーマについては、実際にはさまざまな工夫が生まれます。

今年の高3総合学習は、次のようなプログラムになりました。

1.総合学習 第1回 実施日:5月19日(土)
この総合学習のルールは次の2つのみなのです。

(1) 全高3生が、「私の夢」という主旨で最大15分間のプレゼンテーションを外部からお招きした方々に対して行う。
(2) プレゼンテーションは「1対1」の形式で行う。

これ以外、すべて形式は各自の自由な発想に任されています。伝えるために必要な道具、演出方法、言語は各自が自分で判断して決めるのです。言語としては日本語、次に英語、フランス語が使用されました。
さて、こうした条件の下で高3生徒諸君が様々な工夫を凝らし、総合学習第1回プレゼンテーションが実施されました。
当日、このプレゼンテーションには実にさまざまな分野でご活躍の方々が協力して下さいました。税理士、企業経営者、研究職、塾関係者、ロータリークラブ、ホテルマネージャー、エンジニア、大学教授、弁護士、卒業生など・・・・・52名の方々がご来校くださったのです。
この方々に対して本校の高3生諸君が、最大15分間で自分の思いを込め一生懸命にお話をさせていただきます。聞き手のみなさんは、頷きながら時には質問をしたりしながら彼らの話を聞いて下さいました。

 

2.総合学習 第2回 実施日:5月24日(木)
まず、5月19日の各発表を受けて、クラスで2名の代表者が選ばれました。

 

 

代表として選ばれた2名の諸君は、総合学習 第3回 高3全体会の場でプレゼンテーションを行います。

2.総合学習 第3回 実施日:5月25日(金)
さて、いよいよ総合学習第3回が行われました。代表12名の諸君のテーマは実に様々でした。

石丸君「日本中のグルメを食べ尽くして大実業家になる!」
小澤さん「湘南学園の総合学習の課題」
福宿君「about my dream」
谷口さん「私の夢」
佐藤君「貧困」
大地君「世界の窓口」
古川君「世論調査って本当に信じていいの?」
奥村君「日本の経済成長」
岩田君「メディアリテラシー」
矢部さん「栄養バランスと生活習慣病」
小西君「人と人との関わり」
田實さん「法医学者になる夢」

 

 

この中で、福宿君と岩田君はオールイングリッシュのプレゼンテーションでした。内容も立派でしたが、聴衆である高3生諸君が、二人の話す英語を理解しながら聞いている様子がうかがえました。これなら、大学に行ってからも英語の授業で苦労することはないだろうと感じました。
この発表の際に、彼らのプレゼンテーションで共通に感じたことがありました。
それは、彼らが集中していたのは「無事にプレゼンテーションをすること」ではなく、「聞き手が理解しているか」ということだったのです。
今日の発表者のうちの多くが、事前に用意した原稿とは違ったことを話していたはずなのです。彼らは、時には聴衆に問いかけ、その応えに対する応答をしながら自身のプレゼンテーションを進行させていったのです。何を伝えたいのかが自分自身の中で整理されていなければ、このようなことは決して簡単には出来ないのです。実にハイレベルなやりとりでした。

あるテーマについて見つめ、課題点や解決策を考えること。
そして自分自身の考えを持つこと。
それを文字や言葉で人に伝えること。

・・・・こうしたことは今後の人生でとても大切なものとなります。

高3の学年会の先生方は、「このような取り組みが得意な生徒もいれば不得意な生徒もいました。でもそれぞれがチャレンジをして一歩前進できたのではないか・・・・。そして、何といっても学年全体の諸君が頑張っていたことが嬉しかった・・・・」と話されていました。
発表をした12名のプレゼンターも立派でしたが・・・・彼らのプレゼンテーションを熱く見守る高3諸君の姿に、人としての暖かみや大きさというものを感じました。